中国語検定試験(中検)の勉強法とレベルの目安について、公式の案内にあることをまとめました。内容は、試験を実施している日本中国語検定協会のサイトと、協会が公開している資料によるものです。公式が勧めていることは、誰が言っているかを付けて書いています。合格基準点・受験料・試験の構成・過去問は中国語検定試験とはのページ、試験日と申込期間は中国語検定試験の日程のページ、申し込みと当日の流れは中国語検定試験を初めて受ける人への記事にまとめています。

試験で問われる力

協会は「試験概要」で、中検は「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のバランスに加えて、「訳す」能力を重視していると説明しています。外国語を使う時は、まず母語との対応関係を考えるので、読む・聞く・話す・書く能力はいずれも「訳す」能力を介して成り立っている、という考え方です。また、出題は主に日本語を母語とする学習者を対象にしていて、日本人が漢字・漢語語彙になじんでいることを前提にしています。

協会の「出題内容」のページには、級ごとの出題内容が載っています。要約すると、次のとおりです。

  • 準4級:単語・語句の発音、数を含む表現、基本的な問答とあいさつ表現の聞き取り。ピンイン表記。基礎的な文法事項と単文の組み立て。簡体字の書き取り。
  • 4級:日常生活の基本的な問答と、比較的長い会話文・文章の聞き取りと内容理解。ピンイン表記と声調。基本的な文法事項と、それを含む単文の組み立て。比較的長い文章の内容理解。日本語の中国語訳(記述式)。
  • 3級:4級と同じ項目で、組み立ての問題は単文だけでなく複文も含みます。
  • 2級:日常会話と長文の聞き取りと内容理解。長文読解と、長文中の語句の理解。正しい語順と語句の用法、熟語・慣用句を含む語句の解釈。長文中の指定された文の日本語訳(記述式)。日本語の中国語訳(記述式)。与えられた語句を使い、テーマに沿って書く中国語作文(記述式)。
  • 準1級・1級(一次試験):長文の聞き取りと内容理解、聞き取った長文の要約(記述式)。長文読解と語句の理解。語句の用法、熟語・慣用句の解釈。長文中の指定された文の日本語訳(記述式)。比較的長い日本語の中国語訳(記述式)。

レベルの目安

認定基準と学習程度

協会は「試験概要」で、各級のレベルや学習時間の目安は「出題内容」のページの認定基準を見るよう案内しています。認定基準は次のとおりです。

  • 準4級:学習を進めていくうえでの基礎的知識を身につけている。学習程度は、一般大学の第二外国語で半年以上、高等学校で1年以上、中国語専門学校・講習会などで半年以上とされています。
  • 4級:平易な中国語を聞き、話すことができる。学習程度は、一般大学の第二外国語で1年以上です。
  • 3級:基本的な文章を読み書きでき、簡単な日常会話ができる。学習程度は、一般大学の第二外国語で2年以上です。
  • 2級:複文を含むやや高度な文章を読み、3級程度の文章を書くことができる。日常的な話題での会話ができる。
  • 準1級:社会生活に必要な中国語を基本的に習得し、通常の文章の中国語訳・日本語訳と、簡単な通訳ができる。
  • 1級:高度な読解力・表現力があり、複雑な中国語と日本語(あいさつ、講演、会議、会談など)の翻訳・通訳ができる。

学習程度が書かれているのは、準4級から3級までです。

ほかの試験との難易度対応表

協会の「試験概要」には、中検の級をTOCFL・HSK・TECC・CATTI国際・CEFRと並べた表(画像)があります。協会は、試験の目的も出題形式も異なるため厳密な比較はできず、およその目安だと書いています。表では、1つの級の行がCEFRの2つの区分にまたがる所があります。

語彙・文法の基準について

協会が公刊している『中検公式ガイドブック』(アルク)の「はじめに」には、次のようなことが書かれています。

  • 各級でどのような文法項目が必要か、語彙数はどれくらいか、という学習者の要望があり、それに応えるためにガイドブックを公刊した。
  • これまで明確に対応してこなかったのは、中検独自の基準を設けて公開すると、日本の中国語教育を縛ることにならないかという懸念があったため。
  • ガイドブックに示した項目は、これまでの出題データにもとづく大まかな「学習のめやす」「ガイドライン」であり、理解すればその級の合格が保証されるものではなく、この範囲内でしか出題されないということでもない。

協会のサイトで案内されているガイドブックは、準4級・4級用と3級用の2冊です。サイトに載っている見本のPDFによると、内容は次のとおりです。

  • 準4級・4級用:出題形式の解説、「押さえておきたい重要項目35」(漢字・発音・文法・会話表現)、練習問題、模擬テスト(準4級・4級各1回分)、基本語彙集(約1,200語)。
  • 3級用:出題形式の解説、「押さえておきたい重要項目」20項目(存現文、連動文、「把」構文、比較の表現、補語、離合詞、量詞のまとめ、複文のまとめなど)、練習問題、模擬テスト(1回分)、基本語彙集(約2,000語)。

3級用の見本PDFには、音声がパソコンやスマートフォンに無料でダウンロードできるとあります。協会のサイトでは、準4級・4級用にもリスニング音声のダウンロードがあると案内しています。

級の選び方

協会は「試験概要」で、受験資格に制限はないとしています(出題は主に日本語を母語とする学習者が対象)。級の目安について、協会が案内していることは次のとおりです。

  • 認定基準と学習程度:上に書いたとおりです。
  • ガイドブックの模擬テスト:準4級・4級用のガイドブックの「本書の使い方」には、模擬テストについて「自分が受ける級を決めたり、自分の現在の中国語能力を測ったりと、いろいろな目的で活用してください」とあります。
  • 難易度対応表:上に書いた、ほかの試験との表です。

公式の練習の材料

過去問の入手先は中国語検定試験とはのページにあります。協会はサイトで、各回の試験問題・解答に加えて、リスニング原稿のPDFも公開しています。過去問以外の材料は、次のとおりです。

  • 『中国語の環』:協会の刊行物で、試験に関する情報や中国語学習のノウハウを、受験者や学習者に提供するものです。バックナンバーのPDFが、サイトで読めます。「学習コーナー」には、「学習関連の記事を抜粋しました。試験準備等にご利用ください」として、準4級のあいさつ語、4級・3級の日文中訳のワンポイント・アドバイス、2音節語の声調の組み合わせ、語順選択・整序問題の解き方、介詞・量詞のまとめ、多音・多義字、分類語彙表などのPDFが並んでいます。協会は、該当する級のレベルの問題が必ず出題されるということではない、と注記しています。
  • 『中検公式ガイドブック』(アルク):上に書いた、準4級・4級用と3級用のガイドブックです。協会の「過去問題・解説」のページで案内されています。
  • オンライン学習:協会のサイトの「オンライン学習」のページには、「中検に関係する先生方の学習コンテンツ」への案内(発音教材、中国語学の講義、外部のウェブページなど)が載っています。

二次試験(準1級・1級)の判定項目

協会の「二次試験概要」には、判定項目が載っています。二次試験の流れは中国語検定試験を初めて受ける人への記事にあります。

  • 準1級:コミュニケーション能力(簡単な日常会話)、訳す力(口頭での中文日訳と日文中訳)、表現する力(指定されたテーマについての1〜2分のスピーチ)、総合(発音・イントネーション、および語彙・文法の運用能力の総合的な判定)。
  • 1級:翻訳・通訳能力(難度の高い中国語と日本語の逐次通訳)。

出典